アーロン・ヘンドリッヒ展「fire in between」
社会を形作る炎の起源に迫る
揺らめく炎は、人類史の深い闇を初めて照らした光、そして文明を築き上げた原動力。
アーティスト、アーロン・ヘンドリッヒは、燃え盛る炎のエネルギーと、その後に訪れる静寂の中にこそ、社会の起源と空間の本質を見出します。
本展「fire in between」は、ヘンドリッヒが長年探求し続ける「炎」をテーマに、絵画、ミクストメディア、インスタレーション作品の数々を展示いたします。
会場となる天王洲セントラルタワー アートホールは、ヘンドリッヒの作品によって、炎の持つ力強さと儚さが交錯する、他に類を見ない空間へと変貌を遂げます。
炎が織りなす空間の創造
ヘンドリッヒは、空間を固定されたものではなく、絶えず変化し、境界線があいまいなものとして捉えています。それはまるで、焚き火の炎のように、力強く燃え上がる瞬間もあれば、静かに燃え尽きようとする瞬間もあるように。
彼は、建築、社会学、考古学といった多様な分野の概念を自身の作品に織り込みながら、空間の本質を追求し続けています。
キャンバス上に力強く表現された炎、計算され尽くした配置で空間を支配するインスタレーション作品の数々は、見るものを圧倒し、空間に対する意識を揺さぶります。
私たちはどこから来たのか、そしてどこへ向かうのか?
ヘンドリッヒの作品は、単に視覚的な美しさだけでなく、私たちに根源的な問いを投げかけます。
炎の揺らぎは、私たちの社会が絶え間ない変化の中にあり、その中で私たちは常に新たな創造を繰り返していることを教えてくれるかのようです。
本展は、ヘンドリッヒの深遠な芸術世界に触れ、空間と社会、そして私たち自身の存在について改めて見つめ直す、貴重な機会となるでしょう。